2組目の内覧者がやって来た
前回の内覧からちょうど1週間後。
2組目の内覧者は、30代半ばのご夫婦と生まれて間もない赤ちゃんの3人でした。
岡田さんの事前情報によると、
今回の内覧者は、わが家のある場所が第一希望のエリアで、
注文住宅を検討していたけれど、
お子さんも生まれて早く新しい家に引越したいとのことで、
新築の建売や築浅の中古住宅を探しているようでした。
これまでもたくさんのお家を見て回ったようで、
すでに内覧経験はかなりあるようでした。
電話で聞かされていた情報から、
第一希望エリアなら脈ありなのでは!?と少々期待していました。
自分仕様に選んだ設備が仇となる
内覧日当日。
今回の内覧者は、
明るくてきぱきとした印象の奥様と優しそうなご主人でした。
赤ちゃんは奥さまの背中でぐっすり眠っていました。
ご夫婦とも慣れた様子で、各部屋をじっくり見て回ります。
奥様は、
「ここは人感センサーライトですね!」
「この間取りは動線が良いから使いやすそう」
「このお部屋は日当たりがとても良いですね!」
等々、細かいことに次々気づいて、たくさんの質問をしてくれました。
「今まで見てきたお家の中で一番良いね!」
なんて会話も聞こえてきて、
もしや好感触!?なんて思っていたのも束の間、
良い流れは急に止まってしまいます。
それは、一同がキッチンへ来た時です。
奥様が嬉しそうにキッチンの前に立ち、
シンクに手を伸ばしたときに、
「なんか・・・・高い・・・」
と呟いたのです。
一同の空気が固まりました。
よく見ると、キッチンの高さが奥さまの身長とまるで合っていないのです。
奥様は恐らく140cm台くらいのとても小柄な方でした。
と対照的に、170cm近くある私。
キッチンのワークトップの高さを一番高い90cmの仕様にしていたんです。(キッチンの高さは80,85,90cmの三つから選べます。賃貸では80か85cmが多い。)
おそらく、高さのある深い鍋なんかをコンロに置けば、鍋の中身は見えないであろう感じの高さ感でした。
岡田さん「注文住宅ですから、奥様(私)の身長に合わせた高さになっているんですよね。拘って選ばれたキッチンです!」
岡田さんのフォローになっているようでなっていない言葉。
ご主人も
「ちょっと○○には高すぎるんじゃない…」
と奥様に囁く声が聞こえます。
奥様は、
「調理するときだけ踏み台みたいなの使えば良いかも!?」や、
「厚底のスリッパを履くのはどうだろう。」と、
コンロやシンクを行ったり来たりしてワークトップの奥行きにどこまで手が届くか確認していました。
そしてキッチンに続き、
備え付けの背面収納の吊戸棚部分がこれまたとても高い。
背が高めの私でも一番上の棚は椅子などに立たないと物が取れません。
奥様は吊戸棚部分を見上げて「たかい……」と呟かれていました。
その後は他の部屋を見て回るも、
奥様の口からは、
「キッチンだけリフォームしたらいくらくらいだろう・・・」とか、
「キッチンの足元に台を置こうか・・・」とか…
聞こえてくるのはキッチンの高さをいかに改善するかの話ばかりでした。
全部の部屋を見終わった後も、
多少は購入を検討してくれているのか、
電気代のことや町内会のこと、引き渡しとなるとどれくらいを要するのか、とか、
ちょっと詰めたような質問ももらえましたが、
内心『今回もダメかなぁ・・・』と思った2回目の内覧でした。