道路族を理由に家を売る場合、
必ず聞かれるであろう『売却理由』を、
不動産屋や内覧者にどう伝えるべきかでお悩みではないですか?
正直に売却理由を伝えてしまうと、
- 購入者が現れないのではないか。
- 高く売れないのではないか。
と不安になりますよね。
でも、嘘の理由を伝えて後からトラブルになるのも怖い・・・。
道路族被害に悩んだ末に、
たった2年でマイホームを売る決断をした当時の私にとって、
マイホームを売り出すにあたり、
『売却理由』をどう伝えるか
ということは、とても深刻な問題でした。
そんなわたしが結果的に出した答え。
それは、
「正直に本当の理由を言う」
でした。
何を当たり前のことを!
と言われるでしょう。
そもそも不動産を売るにあたって、
虚偽の報告をすることはいけないことですものね。
しかし当時の私は、精神が崩壊しそうなくらい道路族に悩んでおり、
本当の理由を言えば“売れるわけがない”と本気で思っていました。
そのため、本当の理由を伝えることには、かなりの覚悟を必要としました。
しかし、そんな不安をよそに、
わが家には計8組の内覧希望者が現れ、
3か月という短い期間で、無事に納得のいく売買をすることが出来たのです。
どうして、本当の理由を伝えたにもかかわらず、
短期間で何組もの内覧者に来てもらうことができ、納得のいく売買が出来たのか。
それは、
人気のエリアだったからかもしれませんし、
ただ単に運が良かっただけかもしれません。
真相は定かではありませんが、
本当の理由を伝える際に、私なりに気を付けたことがいくつかあります。
今回は、
①わが家が伝えた売却理由
②伝える際に気を付けたこと
③売却理由を聞いた不動産屋や内覧者たちの反応
などをお伝えできればと思います。
わが家が伝えた売却理由
まず最初に、わが家が不動産屋や内覧者に売却理由をどう伝えたのかは、以下の通りです。
・利便性だけを求めてこの場所に家を建てたが、新興住宅地だったということもあり、周りは子育て世代が多い。
・私たち夫婦は子どもが苦手なため、子供たちとの交流や、毎日のように近隣の親子が家の前の道路で遊んでいること、たまに敷地内にまで入ってくることがストレスとなってしまった。
一部省略していますが、
大体こんな感じで、家を売りたいと思うようになったおおもとの理由を簡潔に伝えました。
本当の売却理由を伝える際に、私が気を付けたこと
上記の売却理由を伝えるにあたって、
些細なことですが、私なりに気を付けたことが3点あります。
1.「道路族」というワードを出さない
私が『道路族』という言葉を知ったのは、
家に住みはじめてしばらくしてからのことです。
最初は
「元気だなぁ~」くらいに思いながら見ていた
道路で遊ぶ近隣の子どもたちが、
日を重ねるうちに、自分の中でストレスとなっていることに気付きはじめた頃。
思い悩む日々を過ごすなかでふと、
同じような人はいないか・・・と思い、
『近所 子ども 家の前 道路 うるさい』のようなワードを並べたて、ネット検索をしたのです。
するとそこには、
驚くほどにたくさんの、同じような境遇に悩む方たちの声がありました。
それと同時に、そういう子供たちが
『道路族』
と呼ばれていることをそのとき初めて知ったのです。
わたしと同じような経緯でこの言葉を知ったのではないでしょうか。
ちなみに、『道路族』という言葉は造語だそうです。
勝手な憶測ですが、私と同じような、
道路遊びをする近隣住民を不快に感じた人たちが、皮肉を込めてつくった言葉なのではないかと思っています。
そんなこともあってか、
『道路族』
と検索して、良いイメージを得られることは基本的にありません。
その証拠に、ネットで『道路族』と検索すれば、
各地で起こっているたくさんの道路族被害を知ることができます。
なかには、
「自分のまわりで行われている道路族行為なんて大したことないのではないか・・・」
と思うような目を疑う事例すらもあり、
ネット検索によって、『道路族』への嫌悪は募る一方です。
そのため私は、
売却理由に『道路族』というワードを入れてしまうと、
と考え、売却理由を伝える際に、『道路族』というワードは出さないようにしました。
無論、
『道路族』というワードを使わずとも、
わが家が売却するに至った本当の理由はちゃんと相手に伝えられますからね。
2.主観的な意見を言わない
私が道路族に悩み果て、家を売りたいと思い始めたときのことです。
両親や友人たちにそのことを相談したところ、
両親をはじめ、ほとんどの人から
揃って同じような反応をされました。
「子供のすることだからしょうがない。数年も経てば静かになるよー」
「自分の子ができたら一緒に遊ばせたら良いじゃん。」
「私はそのくらいなら全然平気だけどなー」
(騒音トラブル経験者の友人にだけは同情してもらえましたが…)
当時のわたしは、
理解してもらえない辛さと憤りで、
他者の意見には聞く耳を持ちませんでした。
しかし、
いざ家を売る決断をし、売却理由をどう伝えるかと悩んでいたときに、
かつての皆の反応を思い出したのです。
私にとっては家を売りたくなるほどの深刻な悩みでも、
他者からしたら全然平気だったり、
むしろ、「一緒にうちの子を遊ばせられる!」とプラスに捉える人もいるんだった!と。
ならば、正直な理由を伝えたところで、
その理由をプラスと取るか、マイナスと取るかはその人次第です。
私の主観的な意見を内覧者たちに伝えて、
わざわざマイナスイメージとなる先入観を植え付ける必要はありません。
そういう訳で、
わが家が家を売る原因となった”近隣住民の行い”はちゃんと伝えつつ、
その近隣住民の行いに対しての主観的な考えは極力付けないようにしました。
3.『自分には』合わなかったことを強調する
わが家は、売却理由を伝える際に、
私たち夫婦は子どもが苦手
という部分を強調しました。
これは、あくまでも、
『自分たちがここに合わなかっただけであって、子供が苦手でない人なら大丈夫』
ということを内覧者に思ってもらうためです。
本当のところ、
私も夫も子供が苦手ということはありません。
しかし、当時まだ子供がいなかったわが家にとって、
自分たちがここに合わない理由を『子供が苦手だから』ということにしてしまうことは、とても好都合だったのです。
それに、近隣の道路族の子どもたちは本当に苦手でしたから、あながち嘘ではありません。
それに、
同じ分譲地に住んでいながら、
私が道路族に苦しむ一方で、道路族たちは毎日道路で遊んで楽しそうに過ごしていました。
実際、この場所で不都合なく暮らしている人(道路族)たちはたくさんいるのですから、
わが家がここに合わなかったということも事実です。
一つでも、内覧者にとって
「その理由なら、私たちは大丈夫かも」
と思ってもらえるような言葉を付けると、
購入を検討している人が、
わが家の売却理由によって購入を尻込みする可能性が低くなるのではないでしょうか。
売却理由を聞いた不動産担当者や内覧者たちの反応
不動産担当者の反応
わが家の売却理由を聞いた不動産屋の担当者の反応は意外なものでした。
瑕疵物件になるほどの近隣トラブルではないので、そういった理由で家を売る人は、
・住宅ローンを払うのが厳しくなった
・転勤や親の介護で引っ越さなければならなくなった
みたいな、よくある理由を使われてもいいと思います。
そうされた方も結構いらっしゃいますがどうされますか?そのままの理由で売りますか?」
すらすらと躊躇なく提案してきた不動産屋には驚きました。
後々トラブルになったら嫌なので、
わが家はそのままの理由を伝えてくださいとお願いしましたが、
中古物件には、表向きの売却理由とはまったく違う理由が潜んでいることが結構あるのかもしれません。
内覧者たちの反応
内覧者たちは事前に、
不動産屋からわが家の売却理由を聞いていました。
そのため、内覧の際に、改めて直接わたしに売却理由を聞いてきたのは8組中2組だけでした。
それに、聞いてきた2組(2人)は、どちらも内覧者の付き添いで来た年配の方で、
ほとんどの内覧者が、私たちに直接売却理由を聞いてくることはありませんでした。
子どもに関しての話題って、今の時代、割とセンシティブなイメージがありますから、
「子どもが苦手」「子どもの声がストレス」「子なし夫婦」なんて事前に聞かされていたら、
内覧者側もつっこみにくかったのかもしれません。
そして、お子様を連れた内覧者の方たちからよくあった質問が、
「近隣の子どもたちにわが子と同年代の子はいますか?」でした。
本当の理由を伝えたことで、”一緒にわが子を遊ばせたい”と思う夫婦たちが来てくれたように思います。
結論、「本当の理由を伝えたら家が売れなくなるのではないか・・・」
と悩むのは、意外と取りこし苦労で終わる可能性があるので、
あまり気にせず本当の理由を伝えていいように私は思います。